たぬちゃんの怠惰な日常

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【美術・博物館巡り】鳥文斎栄之展(千葉市美術館2024年)レビュー

「サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展」(千葉市美術館)へ行ってきました。

 

www.ccma-net.jp

 

 

鳥文斎栄之とは

(引用:フライヤー)

 

ん?

鳥文斎栄之(ちょうぶんさいえいし)?

知らないなあ・・・、と思った方。

大丈夫です。

わたしも知りませんでした( ー`дー´)キリッ

 

鳥文斎栄之(ちょうぶんさい・えいし1756−1829)は、旗本出身という異色の出自をもち、美人画のみならず幅広い画題で人気を得た浮世絵師です。

(引用:HPより)

 

たしかに浮世絵師としては異色なのですが、実は「絵具方」という将軍のために絵具を用意する役目を務めていて、御用絵師狩野栄川院典信に師事し、まるで素人ではなかったのです。

なのでちょっと誇大広告かなw

 

今回の展覧会はいろんなところから絵を借りてきて、とても貴重な展覧会であると古美術系ユーチューバーが言っていたので、用事のついでに行ったのです。

なんせ「世界初開催」ですよ!

 

千葉市美術館

 はじめて千葉市美術館へ行きました。

JR千葉駅東口からは分かりやすいです。

このように「美術館こっち」マークがたくさんついています。

 

安心していて、あるとき「←美術館」みたいな看板を見た気がしたのです。

で、左折しまして。

「チェリーボーイ」というホストクラブを「ぜったいウソやん」と毒づきながら横目に見て歩いていきました。

行けども行けども見つからず。

そのうち市民会館が。

 

なんと逆だったのです!(;゚Д゚)

あの看板はなんだったのか。

 

そして無理せず引きかえしました。

方向音痴は素直に原点に戻るべきですね( ー`дー´)キリッ

 

チェリーボーイを見かけたら、間違えていることを覚えれば大丈夫です。

大通りから曲がるときは念のため地図のチェックを。

 

千葉市美術館は縦長?で今回の特別展は7,8階で開催。8階より入場します。

8階へ行けるエレベーターと行けないエレベーターがありますが、行けるほうはこの絵が描いてあるので、分かりやすいです。

 

常設展は5階で同じチケットで見ることができます。

特別展によって値段は変わり、今回は大人1500円でした。

美術館の中でも迷いました(;'∀')

チケット売り場で、どこから入ればいいか聞いた方がいいです(方向音痴組)。

 

いざ拝見

 栄之は絵具方出身で浮世絵師としては優遇されたデビューだったらしいです。

大判、続絵をデビューしてすぐ任されたとのこと。

そりゃあ、素人じゃないもんね。

最初からよい彫師や摺師を付けてくれてたのではと思います。

錦絵(浮世絵・木版画カラー版)に関しては、彫師と摺師も大きな影響を与えます。

 

写真は基本NGですが、カメラマークだけは写してよいとのこと。

(「川一丸舟遊び」 ボストン美術館蔵)

 

5枚絵を繋げたら一つの絵が完成する続絵(つづきえ)。

栄之の絵はたぶん初めて見ましたが。

うまいなあ、という印象。

現代まで残っている絵はもちろんみんなうまいのですが、崩れがない感じ。

キチッとしていて、狂いのない美しさ。

繊細ですね。

 

女性を描くことが多く、吉原の絵が多かったのですが、例えば渓斎英泉とは反対の印象。

英泉も下級武士出身ではありますね。いろいろあって浪人になりましたが。

どちらも足を出した女性を描いていますが、栄之はほっそりした上品な足、英泉はたくましく地面を踏みしめている肉感的な足。

 

栄之は超うまい少女漫画家の印象。

いやらしさがない。

今、だれにあたるのかは少女漫画を読まないので分かりませんが。

英泉はもちろん青年誌です(;・∀・)

 

(「郭中美人競 大文字屋内本津枝」ボストン美術館蔵)

 

こちらは世界で一点のみ確認されている貴重なもの。

美しいし、崩れがない。

そして栄之の絵はかなり豪華に仕上がっていることが多いと思いました。

雲母などキラキラしたお高い顔料を使っているようでした。

 

家柄のせいか、お得意様は上流階級が多かったらしいので、豪華なんでしょう。

 

(「新大橋橋下の涼み船 」ボストン美術館蔵)

 

舟遊びが栄之の代表作なので、舟の絵が多かったです。

風流ですね。

 

すごく丁寧ですよね。

 

栄之の描く男も美しかったです。

光源氏や在原業平もちゃんときれいめイケメンでした(;・∀・)

 

そして、色も優しい色、または落ち着いた色だなあと感じました。

と思っていたら、「紅嫌い」という手法があったようで。

品の良い画風に赤い色をわざと避けた錦絵で、紫を多用することから紫絵ともいうらしいです。

なるほど、だから上品なのかあ。

 

蔦屋と西村屋

 出た!蔦屋と言えばご存じ、浮世絵の大手版元。

蔦屋とともに人気のあった版元の一つが西村屋だったそうです。

どうも蔦屋の方が新興だったとのこと。

集英社VS講談社?

よく知らんけど(;・∀・)

 

蔦屋と関係のあった歌麿の大首絵が人気を博したら、住み分けるため栄之は全身画を描いたりしたそうで、版元も画風に影響を与えていたのですね。

まあ、今のマンガもそうかな。

 

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 今回はついでに寄ったので時間がありませんでした。

迷ったので体力を削られていたのもあり、ゆっくりは見られませんでした。

 

大きな作品はショーウィンドウに入っているのですが、作品とガラスが遠くてですね、見にくかったです。

特に肉筆画が遠くてよく分からんかった。

年々ピントが合いにくくなっているので(;・∀・)

もうちょっと手前にしてほしいなと思いました。

 

また、大まかにテーマに分けて展示してあるのですが、プラスアルファがなかったのがややつまらなかったです。

絵具方再現とか。(顔料はちょっとだけあったけど)

舟遊びの仕方とか?関係ないか??

 

というのをアンケートに書けばよかったけど、迷ってヨレヨレで忘れてました(;'∀')

もし行かれるかたは代わりに書いてくださるとうれしいです。

 

いつも少年漫画しか読まない人が少女漫画を見たようなとまどいはありましたが、貴重な展覧会でよかったと思います。

 

鳥文斎栄之を知ってる日本人はほとんどいませんので、自慢できますよ!

おそらくうらやましがられないと思いますが。

 

ではではご覧いただきありがとうございました。