たぬちゃんの怠惰な日常

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【美術・博物館巡り】「本阿弥光悦の大宇宙」レビュー(東京国立博物館 トーハク)

今週は忙しく、今日は今日とて家でダラダラしたかったですが。

見に行きたい展覧会があり、なんとか外出しました。

今年初の展覧会です。

 

 

天 才 観 測 ! Σ(゚Д゚)

 

刺さった方は、きっと同世代ですね( *´ω`* )

 

youtu.be

(引用:YouTube, BUMP OF CHICKEN「天体観測」, 2024.01.26,閲覧)

 

♪午後一時前 フミキリに

Suicaを持って漕いでった〜

(たぬ作)

 

「始めようか、天才観測。」のサブタイトルを付けた人はきっとわたしと同じくらいの年齢の人なんだろうな。

いやあ、付け方がうまいねえ。

音声ガイドは中谷美紀。

ぜったい同世代が計画したはずw

 

本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)は聞いたことがあるくらいであまり知りませんでした。

高校では世界史選択したし(言い訳)。

 

この卵焼きのような、ふしぎな工芸品と、「天才観測」というサブタイトルにつられて行ってきました。

 

なお、「大宇宙」は、本阿弥光悦の世界観を表しただけで、天体とは関係ありませんでした(ちょっと期待していた)。

 

残念ながら撮影は禁止でした。

 

フライヤー。

 

まず、本阿弥光悦について。

ざっくりいうと、江戸時代に工芸、書など芸術に関することを手広くやっていたマルチな才能の持ち主です。

レオナルド・ダ・ヴィンチみたいだなあと思ったら、すでに「日本のダ・ヴィンチ」と言われているようで(他にも平賀源内とかいろんな人が言われているけど)。

光悦は、科学系はやってなかったけど、だいたい雰囲気がつかめそうですね。

 

作品がすごいのではない、本阿弥光悦本人がすごいんだ!という感じの人です。

もう名前からかっこええわ。

 

もともと、本阿弥家は刀剣の鑑定、研磨、拭い(刀身に光沢を与えるために行われるもの)を生業としている家系です。

そこで審美眼や工芸的な手法のベースは仕上がっていたわけですが。

おもしろいのが直系ではなかったこと。

もし、直系であればそのまま家を継いで「守る」ことに注力していたかもしれません。

いわゆる分家だからこそ、本家を凌駕したいというハングリー精神があったかもしれない。

なので本業とは関係なく思い切った作品を出し続け、日本の美術改革の契機になったようです。

 

外国人が思い浮かべる「日本の美術」とは、おそらく江戸時代あたりの絢爛豪華な錦絵や蒔絵でしょう。

技術の向上もあったでしょうが、光悦の思い切りのよい独創的な手法が影響を与えたとわたしは思います。

 

つまり、日本の美術は光悦前と光悦後で分けられると。

 

尾形光琳の親戚でもあり、実は「琳派」の創始者は光悦と俵屋宗達だとのこと。

これでマルチな才能が分かりますね。

 

あ、ここほんとにテストに出るよ!

覚えておきましょう。

 

「舟橋蒔絵硯箱」

 

この卵焼きみたいなのは、硯箱。

漆塗り、金箔です。

まるっこいのかわいいですよね。

 

この丸い形は橋を表すためで、黒いところが鉛で橋です。

その下には舟が描かれています。

光悦得意のちらし(文字を散らすこと)が用いられ、美しさと楽しさを出しています。

 

「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」

 

これは見たことある方も多いのではないでしょうか。

俵屋宗達が絵を描き、その上に光悦が書をかいています。

 

今日ほど書道をやらなかったことを後悔したことはないですね。

日蓮宗の熱心な信者だった光悦は、立正安国論などを写すときはきっちりした漢字を書きますが、絵に載せるときは崩してながれるような字になります。

 

・・・読めない(つд⊂)エーン

 

13~14mというすごく長い巻物。

 

宗達の絵の上に書く…え…怖ない?

失敗できんやん?

 

才能×才能の一品。

 

普段は京都国立博物館に所蔵されているので、これを見るだけでも価値がありますね。

 

巻物は右から左にかけて、時間が経過するように作られ、アニメーションのような感じになっています。

巻物は日本が誇れる芸術だと思います。

 

上「紫紙金字法華経并開結」

下「黒楽茶碗 銘 時雨」

 

光悦は「寛永の三筆」の一人とされ、書の達人でもあります。

どんだけ才能もってくねん!と思いますわなあ。

 

昔は身分制度があり、光悦は芸術的な仕事の家に生まれ、お金も人脈もあったからいろんなことができたとも言えます。

もしかしたら、他にもすごい人はいたかもしれません。

でも、「光悦さんとこに頼んだら、なんかいい感じのオシャなもんを作ってくれるやろ」という、デパートのような信頼感があったのではないでしょうか。

本阿弥光悦自体をブランド化することに成功した、やっぱりすごい人です。

 

陶芸もやっており、茶碗なども残しています。

茶の湯はなんとあの古田織部に教えてもらったそうです(;゚Д゚)

 

光悦の焼き物は、素朴でほっこりした感じ。

好みですねえ。

 

光悦が鑑定した刀も展示されてるので、刀好きの方も楽しめそうです。

特に郷(江)義弘が作って、光悦が書を入れた激レア刀がありました。

 

いやあ、多才。

そして書の文字から想像するに、心に余裕があったのではないかと思います。

ゆったりしているけど大胆。

そうとうやり手だったんだと思います。

 

「一生涯へつらい候事至てきらいの人」で「異風者」(本阿弥行状記)と言われたらしく、ちょっと自分も似たところがあるなあと感じました。

憧れの人が一人増えましたw

 

今回の展覧会で学んだことの一つ。

強烈に名前を残したいなら、1つのことに集中すべきだと思いました。

絵の北斎はその例ですよね。

世界に名が轟いています。

 

「時代」を変えたいなら、興味のあることをどんどんすべきなんでしょう。

プロデュースも。

それを見た後輩たちが、自分もできるかもと思うのです。

その代わり名前はあまり残りません。

現代では、光悦の名はそこまでメジャーではないと思います。

でも、時代を変えた人。

 

ブログもそうかも、と思いました。

カリスマになるなら、特化ブログにした方がよいでしょう。

でも、雑記ブログも、実は世界を変化させているかもしれません。

 

さてさて、ブログ界が「たぬ前」「たぬ後」と言われるようになるかどうか(←ならんな)。

 

グッズはふだん使いそうなのがなく、今回はやめました。

「おしゅしだよ」とのコラボグッズはかわいかったですよ!

 

ではではご覧いただきありがとうございました。

 

koetsu2024.jp

(引用: 東京国立博物館, 2024.01.26閲覧)

 

www6.nhk.or.jp

NHKの番組もありますよ!

 

参考文献

東京国立博物館 特別展本阿弥光悦の大宇宙フライヤー