東京原宿駅近く、太田記念美術館で2023.12.01-12.24「深堀り!浮世絵の見方」が開催されています。
24日間(休み含む)しかやってないため、早めに行ってきました。
深掘り! 浮世絵の見方 | 太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art
(引用:太田記念美術館HP, 2023.12.08閲覧)
14時過ぎに着きましたが、表参道はすごい人でした。
前に来た時より学生さんが多かったような。
学生、勉強しろよ(自分の過去は棚に上げる)。
また来たよ。
フライヤーをいただきました。
積極的には配ってないため、自分から取りに行きましょう。
見えにくいところにあります。受付のところ。
今回は1,2階に加えて地下もありました。
目録はなかったので、記憶だけがたよりです。
前回は肉筆画(直に絵師が描いた1点もの)でしたが、今回は浮世絵版画です。
なるほど、肉筆画に比べると印刷っぽい。
立体的な、ふわっとした丸みが少ない気がしました。
でも、勢いのある表現は得意のようです。
おそらく木を鋭く彫ると、線をびしっとクリアに表現できるからだと思います。
どちらも良い。
波の表現は北斎前後で変わったようで。
くわしくは美術館でね(⌒∇⌒)
また、「ベロ藍」。
以前から注目していました( -`ω-)✧ドヤッ。
ドイツで開発された化学顔料の青色。
これは浮世絵に大改革を及ぼしたと思います。
- (パブリックドメインQより)
われわれが浮世絵と聞いて思い浮かべるのが、この鮮やかな青、ではないでしょうか。
それまでは自然の顔料を用いてましたが、灰色や緑っぽい色で青を表現していました。
どうしても限界があったのです。
今まではふわっとした印刷物だった浮世絵版画が、ベロ藍によって鮮やかなかっこいい絵となったのではないでしょうか。
実際の版木(再現)も展示してました。
紙がずれないよう、ガイド(見当)があるのでもし行ったら見てみてね。
制作は、
絵師→彫師→摺師
という主に3名により作られていきます。
もちろんそれぞれ相談しながらですが。
絵師は元絵を描くので絵師の作品となります。
でも、彫師、摺師の技術ででき上がりが変わってきます。
彫師は彫る技術、特に髪の毛の技術で差が付きます。
肉筆画の時に、筆でこんな細い線が書けるんだ、と感心しましたが。
彫師はその細い線を木を彫って再現するのです。
凹じゃあなくって、凸に彫るんですよ。分かります?
木って、こんなに細く残して彫れるの?って感動です。
昔プリントゴッコってあったの覚えているでしょうか。
何回も色を重ねていってカラフルな印刷を自宅でできるやつ。
主に年賀状で使用していました。
浮世絵版画の仕組みに似ています。
今の若者にはレイヤーと言った方が分かるかもしれませんね。
1つの絵を作るのに、数枚の版木で色を重ねていくのですが、効率よく行うため何をどこに彫るのか、何回摺るのかを考えなくてはいけません。
有名な北斎の神奈川沖浪裏は延べ6枚、裏にも彫っているのでたしか4枚くらいの版木でした。
摺師。
もっとも名が残ってないのが摺師ですが。
摺師の技術によっても完成度が変わってきます。
ぼかしとか、力の入れ方とか、だいぶ違ってたと思います。
版画ですから摺った凸凹もあるのです。
それを模様にしている作品もあります。
今回の展覧会では、同じ版木を用いた浮世絵でも初期と後期の違いを見せてくれているので、それも見どころです。
当たり前ですが、だんだん木が擦れてきて、シャープさが無くなってきます。
また、改訂版をだしたり、余計なところを削ったりして修正したものも出しています。
だいたい初版は気合が入ってグラデーションを出したり、模様を付けたりしています。
今でもマニアやお金持ちは一番最初に購入しますよね。
なので高値で売れるのだと思います。
だから気合が入っていたのでは。
だんだん価値が落ちてきて、お安くなったころ、あんまり手間をかけなくなったのかな?と思いました。
浮世絵版画は、今でもやっぱり初版が高値になりやすいんだろうか。
とにかく、完成度は摺師で左右されるということです。
そして、忘れてはいけないのが版元!
そう、現代でいうと出版社、週刊少年ジャンプの集英社みたいなところですね。
ここがなければ広く売れないし、ヒット作もなかなか出ないでしょう。
今も昔も編集者と相談、たまには戦いながら作品を作っていくのですね。
版元の店で浮世絵を買っているお客さんたちの絵がありましたが、見事に女性ばかりでした。
やっぱりブロマイド好きは女性が多いのかな。
そして、庶民の絵でカツオを売っているのがありましたが、魚売りがイケメンで、女性が群がっていました。
なるほどなあ。
いい男かどうかで売り上げが変わっていた様子。
今回は、浮世絵版画の作られ方について知ることができました。
作り方だけではなく、サインとか経年劣化とか、絵そのものではないところからの読み解き方も教えてもらえました。
- (600dpi パブリックドメイン美術館より)
美しさはおそらく広重。
構図、勢いは北斎がすごい、と思う。
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写真は撮れませんでしたが、太田記念美術館で本物の浮世絵(再現)を買うことができます。
絵だけなら14500円くらいで、なんとか買えるお値段です。
「神奈川沖浪裏」があったら買ったかも(;・∀・)
アダチ版画さんより購入できるそうです。(PRではないですが、オンラインストアにリンクされてます)
前の展覧会のポスターが余っていたら、無料でもらえます。
歌川国芳ィィィ!!!(;゚Д゚)
・・・いただきましょう(⌒∇⌒)
え?何をそんなに悶えてるんだって?
歌川国芳は奇想天外な絵を描く人なんですよ。
江戸末期ということもあり、色彩も鮮やか。
かっこいいよねー。(←おそらく多くの方が「???」だと思う)
今回おみやげは2点。
ミニポスターです。
B4くらいの大きさかな?
おおよそ原寸大だそうで。
上は北斎の版画、下は娘応為の肉筆画のポスター。
1枚500円。
同じ大きさなら北斎に負けてないよ、お栄ちゃん(応為の普段名)。
ペラいのかと思ったら、しっかりした紙でした。
なので巻けないので、駅から家までは自転車でしたが、かごに入れず袋を手に提げて帰りました。
帰りは明治神宮を通り、代々木駅へ。
あんまり紅葉はしないんですかね。
あいかわらず外国人が多かった。
16時に閉門とのことで、気を付けましょう。
明治神宮から代々木駅への道。
イチョウはそろそろ終わりかな。
正倉院の宝物のレプリカも見たかったですが、こちらは12/23より。
日程が合わなかったなあ。
太田記念美術館は改装で3月までは休館らしいです。
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今回はホームタウンのベローチェで食べてから美術館へ行きました。
原宿は混んでいるので。
パスタ50円引き券があったのでそれを使いました。
そしたらまた値引き券もらっちゃった。
・・・え・・・期間中、無限ループ?
ではではご覧いただきありがとうございました。